Cover to Cover Want One? The Man in the Bowler Hat Tangerine Dream Capital City Rockets
ペズバンド3rd(1979年)。甘さの1stと激しさの2nd、そしてそのバランスがとれたこの3rd。まさに彼等の完成形と言えます。2ndの流れを受継いだ20/20のような軽快なパワーポップ#1「Stella Blue」からスタート。ミミ・ペティニスの声も旬をむかえたかのようにイキイキとしてカッコイイ!#2「Meika」はブリティッシュ・ハードのような豊穣なギターとアメリカン・プログレ的なメロディが絡む。パワーポップとは呼べないけど曲構成は後のニュー・イングランドにも通じるし個人的にはお気に入り。#3「Back In The Middle」も甘さと激しさが同居したAメロ、パンキッッシュなサビ、それにH/Rなギターソロまでもが融合。1stに戻ったかのようなポップな#4「Full Power」ですがニューウェーヴな感じがザ・カーズを彷彿とさせる瞬間あり。#5「Didn't We」も2ndでは消えうせていたポール・マッカートニーを源流とするミドル・チューン。良い曲だな。ココまで前半の流れは◎◎ですね。一区切りついたところで#6「African Night」は再出発のパワーポップ#。流れるような展開でレコーズ、ザ・カーズ、20/20なんかと一緒にランダム再生したい。#7「Make Me Happy」は典型的なアルバム収録曲。キャッチーさもなく盛り上がりに欠ける曲だけど、ロックな熱だけはビンビン感じるなあ。#8「Cover To Cover」はスタイリッシュなロック#。吐き出すような歌い方がめっちゃ◎。中盤のフック一閃の部分以外は坦々と・・。彼等の曲には時折、単調なメロディの繰り返しがみられるけどこの辺はシューズに近い気もする。#9「Hero Hero」のパワーポップは1stに収録されてても違和感ない。ポールマッカートニーが提供したシューズ#とでも形容しようか、、この表現って意外にぺズバンドの側面を表してないですかね?アメリカン・ロック#10「Unexpected」はちょっとポップバンドとしてならキツイかも。3分満たないのでさらっと聞流してしまうけどちょっと残念な曲。本編ラストはノリの良い#11「Don't Look Back」。曲自体は良いのでもっとポップにキャッチーな出来なら最高だったハズ?前半がとても良いだけに後半の曲の弱さが余計露呈してしまう。ま、それを差し置いても是非聞いてもらいたいですけど。ここからボートラ4曲はライブ音源。まず2nd収録の名曲#12「Stop! Wait A Minute」。変わらぬ演奏と声素晴らしい。やっぱ良いですね。間違いなくライブ映えするであろう#13「Lovesmith」(2nd収録)も最高です。そしてバディ・ホリー#14「Not Fade Away」のカヴァー。これはストーンズ的な「Lovesmith」の流れからすれば当然とも言える選曲。さらにはチャン・ロメオ(ビートルズ、スウィンギング・ブルー・ジーンズ)の#15「The Hippy Hippy Shake」のカヴァー。以上10曲+4曲。思えば2ndでのヤードバーズ、今回でのオールディーズのカヴァー曲のチョイスから彼等のホントの嗜好が分かってきます。彼等が目指していたのはポップ・バンドではなくあくまでロック・バンドだったんだなあ。ポップ目線でみると受け付けない曲があるのは当然のことでした。 ザ・ブロークン・ハーツ唯一のアルバム(1985年)。ビートルズやサーチャーズをはじめとするマージービートバンドからの影響大なパワーポップバンド。後にメンバーの1人マイケル・マザレラがザ・ルークスを結成します(これも最高なバンド)。#1「You Won't Find Me」はバーズライクな音色をバックに軽快に進むポップ#。聴くほどに耳に馴染んでお気に入り。#2「Better Start Now」はビートリッシュな雰囲気がめっちゃハッピーにさせるミドルポップ#。買った当初はコレばかりリピートしてました。#3「Play That Song Again」はビートルズ「Eight Days A Week」なイントロから始まるフレンドリー・ポップ。この曲クリスマスに聴くとイイ感じだと思うな。#4「While You Were Having Fun」。ちょっとムーディーなギターとメロディ・ラインも少しジョージ・ハリスンを思わせないでもない。今までの曲もそうだけど地味にコーラス/ハーモニーが活躍しますね。スポンジトーンズにもこの手の曲はあるなあ。弾むビートが心躍らせる#5「When I See You Looking My Way」も初期ビートルズと言うかスポンジトーンズと言ったほうがしっくり来ます。続く2曲も同系でスポンジトーンズやプリーザーズ好きはビビっとくるハズです。まず#6「Just Love Ya'」は中でも初期ビートルズ・マナーにそった展開でこんな感じでビートルズ・フォロワーは必ず1曲は作るんじゃないでしょうかね。#7「Tuesday Evening Girl」は掛け合いがテンションを上げる。1番シンガロングしたい曲です。#8「Don't Go」は伸びやかに歌上げる#でちょっとビル・ロイドを思わせる#。もっとソリッドにしたら初期パンクぽく仕上がったはず。本編ラストは#9「I'm The One Who Loves You」はチャック・ベリーを思わせるロックンロール#。追っかけコーラスも効いてカッコイイ!ココから11曲のボートラ。まずライブ音源7曲。どれも10曲がアルバム未収録#。#10「Circle of Fools」も変わらずビートルズちっくな曲で出来は本編よりもイイ感じ。これが2ndへ向けてだったならホントもったいない。#11「How About That」は9曲目みたくのロックンロール・クラシックと思わせるような#。このバンドは3人ソングライターが居ますが特徴がありそうでないな。聞き分けできない。#12「Do Or Say」は『Help』に入ってそうなミドル・チューン。ジェイミー・フーヴァーも書きそうなメロウな雰囲気が出てます。#13「Always You and Me」は平坦なメロディですが時折ビートルズなギターアレンジが加わってくる。シューズに通じる感じだ。#14「Stephanie」。演奏もvo.もヘロヘロですがコレは結構な佳曲じゃないですかね。美メロです。#15「Somebody for Me」もエディ・コクランを下敷きにしたようなロッカ#。ライブでぶっこまれたらタマンないですね。#16「Want To Be Sure」はこのアルバム通じてマイ・ベストかもしれません。マイケル作で後のルークスに通じるパワポ#で最高でっす。#17「That Kind of a Girl」はデモ。絶好調期のジョンレノンが書いたようなポップ・バラードで◎。#18は「Just Love Ya'」の1分半長いバージョン違い。シンプルさが無くなりvo.がコモった感じ。#19「Not Really in Love」(デモ)は今までになかったカントリーポップですが悪くない。#20「Fool for Love」(デモ)も今で言うザ・ビューぽい感じで好きです。以上20曲盛りだくさん。ちょっと軽めなのがアレですけどオススメです。マイケル以外のトムやジェイミーのその後もめっちゃ気になるー ビートルズ・フォロワー盤としても有名な1974年のスタックリッジ3rd。プロデュースはジョージ・マーティンですよ♪牧歌的なサウンドが前面に出て、どちらかというとビーチボーイズ的だった前作とは趣を少し変えアコギにフルート/バイオリン/サックス/キーボードによってビートリッシュな質感を出してます。まさに“田舎のビートルズ”。そのクウォリティはかなりのもの。ビートルズといっても特にポールマッカートニー(ウィングス)よりなサウンドでメロディが逸品です。#1「Fundamentally Yours」の陽性ポップ#からテンション上がります。最初に思い浮かべるのはビートルズよりもパイロットですね。随所にジョージ・マーティンの仕業と思われるアレンジワークもあり。ビートルズ・ファンへのアプローチとしてはこの曲が1曲目なのは大きかった事でしょう。#2「Pinafore Days」のメロディ・ラインはゾンビーズぽい。牧歌的だけど洗練されているので小品ポップとは言い難いな。#3「The Last Plimsoll」はサージェントペパーなビートル・ワールド全開ですがプログレ的でもあり、やっぱ牧歌的でありと・・スタックリッジを表現するのに最適な1曲ですね。お気に入りです。#4「To the Sun and Moon」はまさにウィングス期のポールマッカートニーを思わせる美メロ#。カバーですか?ってくらいですね。#5「Road to Venezuela」はブリティッシュ・トラッドな1曲。ウェストコーストmeetビートルズを表現した感のある演奏とキュートなメロディが際立って◎◎。#6「The Galloping Gaucho」はリンゴ・スターがいきなり登場したのかと(笑)。途中ボンゾズ『Tadpoles』や「The Show Must Go On」(レオ・セイヤーよりもスリー・ドッグ・ナイトのほう)のような遊園地な雰囲気も楽しいポップ#。#7「Humiliation」は4曲目「To the Sun and Moon」を更に上回るマッカ・メロディな美しい曲。ファルセット部は本家を上回る美声ですね。中後期ビートルズを思わせる#8「Dangerous Bacon」がここでも登場。バッドフィンガーやパイロットはもちろんなんですが彼らよりももっとB級のフォロワー・バンドに通じる曲ですね。#9「The Indifferent Hedgehog」もシンプルな美メロ#でポールを強く感じる曲ですが、スタークリッジならではって感じもすごくして感動する曲です。ニール・イネスの曲を聴いた感覚に近いかな?。そして続くのがラストを飾る壮大なインスト#10「God Speed the Plough」。クラシカルな部分はジョージ・マーティンの影響もかなりありそうですが文句なく素晴らしいですね。スタックリッジはこのアルバム以外も素晴らしい作品を残し、アンディ・デイヴィスとジェイムズ・ウォーレンはその後もコーギスにてポップな活動を続けます。『Dumb Waiters』は特にオススメですよ。 1967年カレイドスコープ1st。67年組らしいUKサイケ・ポップ盤です。#1「Kaleidoscope」はザ・ムーヴに通じるまさに万華鏡のごときカラフル・ポップで名刺代わりの1曲。#2「Please Excuse My Face」はフォーキーな部分がでた憂いある#。この最初の2曲で僕なんかオールOKなんですけど次の3曲目がすごい。#3「Dive Into Yesterday」。UKサイケロックの最高峰に位置しそうな出来栄え。気だるそうなミドル#でブリブリのアレンジが現在に至るまでのこの手の音の教本のような名曲です。#4「Mr. Small The Watch-Repairer Man」はゾンビーズやホリーズ、ハニーバスに通じるポップ#で大好きな音だ。1stシングル#5「Flight From Ashiya」はピンク・フロイドとビートルズが混ざったような#。Mr. Small〜のほうがシングル向きな気もしますが当時は時代を切り裂くような重厚感で文句なくこっちなんでしょう。#6「The Murder Of Lewis Tollani」は祈りのような歌い回し、賛美歌のようなAメロにサビはフックが効いてコリン・ブランストーンのソロ作を思い出すサイケ・ポップ。ポップ度上がって#7「(Further Reflections) In The Room Of Percussion」。根底は牧歌的な音ながらアレンジの妙で独特な雰囲気は相変わらずです。#8「Dear Nellie Goodrich」。陽性な美メロ度が高くてこの曲はゾンビーズ『Odessey & Oracle』やホリーズ『Butterfly』に入っていても違和感なさそうです。#9「Holiday Maker」はいかにも60sシングル#と言えるビート・サイケ#。チープなホーンと波打ち際のSEがなんとも・・良い。「Flight From Ashiya」のB面みたいですがフレンドリーさでは間違いなくこっち。語りの#10「A Lesson Perhaps」をはさみラスト#11「The Sky Children」へ。8分の大作ですがアルバムを締めくくるに相応しい佳曲!単調ながら美しいメロディとアレンジ、拙いながらも胸にくるバックコーラスとのアンサンブルに心揺さぶられます。アルバムはここで完結なのですがシングルに琴線触れまくりの曲が潜んでいます。#12「Flight From Ashiya」#13「Holiday Maker」#15「Please Excuse My Face」はアルバム収録曲のシングルVer.。残り3曲がどれもすごい。2ndシングルの#14「A Dream For Julie」は現代のUKバンドがシングルきっても問題なしのキラキラなブリティッシュ・ロック。そしてそして#16「Jenny Artichoke」。このバンドとの出会いはこの抜群のポップ#。ザ・ムーヴのシングル曲にも通じる脳裏を支配するメロディに白旗降参です。ポップ・フリークは必聴です!#17「Just How Much You Are」も佳曲。アルバムに収録したらハイライト#間違いなしだけどボートラ含めたこのアルバムの締めくくりのためにはむしろ良かったかな。それにしても「Jenny Artichoke/Just How Much You Are」の3rdシングルは最高だ。カレイドスコープは続けて出したフォーキーでドラマティックな2nd、フェアフィールドパーラーと改名後も良盤連発。一度お蔵入りしたコンセプトアルバム『White Faced Lady』も超名盤(これはまたの機会に)なので是非とも! キャピタル・シティ・ロケッツ唯一の1st(1973年)。この後ザ・ゴッズ(The Godz)という名のゴリゴリのH/Rバンドに生まれ変わりますがココでは初期フレイミン・グルーヴィーズに通じる"ブギーで爽快なロックンロール、時折パワーポップ"な音が鳴らされてます。#1「Ten Hole Dollars」で爽快にスタート。いかにも70sなカントリー・ロックンロールスタイル。メロディをなぞるギターが心地よいです。#2「Grab Your Honey」はブギーなロック#。1曲目とは違う意味でノレます。ドゥービー・ブラザーズでいえば丁度『The Captain and Me』の頃ですからまさに時代の音といっていいでしょう。#3「Little Bit O'Fun」がこのバンドを知った曲。これはパワーポップと言っていいでしょう!ポップでキャッチーなんだけど土台はお得意のロックンロールなので軽さはない。信頼感のおけるパワーポップといったらよいか・・とにかく大好きです。#4「Come Back Baby」はそれこそ初期グルーヴィーズが好きならオススメでストーンズとT.レックスが混ざったようなミドルロック#。『The Slider』も73年でしたね。まさにロック黄金時代ですね。#5「People Are Losing」。フリーの曲をカラっとアメリカン・スタイルで仕上げたような。気だるさもあるのにそれを感じさせない。軽めのオールマンブラザーズてな感じか?。続けて『We're An American Band』期のグランド・ファンクを思わせるロック#6「Breakfast In Bed」。メロディに絡むギターがイイ!さらに#7「Newcomer Blues」も同系のロックンロール。もっともっとスピード感があったらMC5のようなガレージロックになったでしょう。この手の曲は続けられても嫌になりませぬ。#8「My Orange Tie」は腰の据わったロック#。ボラン・ブギー的なリフと追っかけコーラスがポップさを演出して◎。ライブなら盛り上がる事間違いなしだね。#9「Searchlight」サザンロックにストーンズ要素加えたような曲。平たんながら一定のリズムで攻められてコレは癖になる。ラストを飾るのはスライドギターが印象的に始まるブルースロック#10「Still Kicking」。最後の最後までイカにもな曲を演ってくれます。ギターソロもバンバンなのでこの嗜好の人にはたまらんでしょう。全10曲。パワーポップ好きへは正直「Ten Hole Dollars」「Little Bit O'Fun」ぐらいしか当てはまらないし、声質もいかにもUSロックなところは好き嫌いありそうですが良質な70sアメリカンロック盤としてイーグルスやドゥービー・ブラザーズが好きな人にはオススメです。